子どもの自主性を育む親の〇〇
皆さんは、子どもと一緒に歩いているとき「もう疲れたから歩けないよ~」と言われたらどうしますか?
抱っこをしてあげるか「もうちょっと頑張って歩いて!」とどうにかまた歩いてもらえるように促してみますか?
今回は私の友人で、よっぽどのことがない限りは「その場でじっと子どもが動けるようになるまで待ってあげる」というシングルファザーの平賀さんをご紹介します。
《待ってあげる、やらせてみてあげる》
可愛い我が子に対し愛情たっぷりの平賀さんは、子どもが「もう疲れて歩けないよ~」と言った時は、子どもに考えさせて「さて次どうしよう。こうすべきかな、ああすべきかな。」と自分で判断し行動するまでじっと側で待ってあげるそうです。
自分で何でも決められるようになるために、基本的には「早くして!頑張って歩こう!」などと急かすことはせず、もしも次の用事があり進まなければならない時は「担いでしまえばいいんです」とサラリと言います。
平賀さんの心のゆとりは見習うべき点が多々あり、他にも例えばそれはこんな場面でもあらわれます。
「お菓子を一袋全部食べたい!」と子どもが言ってきたとき。
そんなときは「全部は多いんじゃない?」と最初一言だけはアドバイスをするそうです。
しかし、それでも食べたそうにしていたら基本的には止めないとのこと。
全部食べた後、本人が「食べ過ぎて気持ち悪い・・・」と言ってきたら「全部食べたからだよね。次は気を付けようね。」と優しく伝えてあげるそうです。
それは決して怒りではなく、むしろ“失敗から学べたね“という気持ちが込められていて、非常に温かいなと感じました。
《ここにいるよ、という安心感をベースに》
彼の子どもに対する自由に決めさせやらせてあげる行為が、放置ではなく温かい愛情と思えるのはどうしてなのかを考えてみました。
「自分は決してイクメンだとは思っていません」と言う平賀さんですが、息子さんに対する対応の中にそのヒントがありました。
それは、どんな時も「パパはここにいるよ」という安心感を、きちんと息子さんに与えていることです。
その証拠に、息子さんの心は基本的にはいつも安定しているように見えました。
たまにはぐずってしまうこともあるけれど、基本的にはきちんと話を聞いたり思いを伝えたりすることがしっかりできています。
「僕は圧倒的に怒らないほうだと思う」 という彼はいつも子どもに考えさせて答えがでるまで待ってあげ。
その積み重ねが子の自尊心を育み、豊かな心につながるのだと感じました。
日常生活の中で自分のやりたいことを進めるべく、何かと子どもを急かしてしまったりやっていることを止めてしまうことは皆さんにもよくあるのではないでしょうか。
そんな時こそ平賀さんがしているように“考えさせ待ってあげること”をちょっと意識してみると良いかもしれません。
《平賀正樹さん》
子ども向け教育事業のカリキュラムディレクター。様々な教育事業を通して、生徒、教師、教材との関わりを良くすることに務めている。一児の父でもあり、息子が1歳のころからシングルファザーとして育児と仕事の両立を行っている。保育園への関わり方も深く、様々なイベントを縁の下から支え続けている。