最高の園長とは、すぐ〇〇と言わない

皆さんは人からお願いをされた時、そのお願いごとを引き受けるか否かをどこで判断しますか?

 

時間の有無、技術の有無、判断基準は色々あると思いますが、それが組織的に厳しいことであった場合はどうでしょうか。

 

普通に考えると余計なリスクは負いたくないので、どんなに親しい相手の依頼でも断ってしまうのは、ごくごく自然なことだと思います。

 

しかしそんな中、本当に子ども達のことを想い、多少難しいことだと分かっていながらも試行錯誤を繰り返し、様々なことを叶えてくれた保育園の園長さんがいます。

《教育プログラムを提案してみたところ》

 

その園長先生にある日、子ども達の教育に良いので取り入れて欲しいとあるイベントを提案させて頂きました。

 

それは、絵描きさんを呼び公園に10メートルの大きな紙を広げ、皆で青空の下自由に絵を描くというプログラムでした。

 

画用紙で机や椅子に座りながら描くというのはよくあることと思います。

 

しかし、それが青空の下で10メートルの用紙なら、子ども達に場所を自由に選ばせ好きな絵を思う存分描いて貰うことが出来ます。

 

そんな自由を最大限に活かせる絵の描き方ができたなら、子ども達の感性はもっとのびのびとし豊かな絵が描けるのではないかと考え、プログラムを提案させて頂きました。

 

 

《できないではなく挑戦》

 

すると、最初は公園の大部分を使用してしまうということ(保育園では私の地域は公園の占有許可が取れなかった)、他の遊びの時間など日常のプログラムの時間をずらすことになること、また準備する沢山のクレヨンの数の手配の問題があること、馴染みのない方を先生にすることの問題など沢山の壁があり、最初の印象は「正直難しそう」でした。

 

しかし園長は諦めず「それは素敵なイベントだし、子ども達はきっと喜ぶことでしょう。どうにか実施できるよう多方面に掛け合ってみます。」と回答をくれたのでした。

 

そしてその結果、色々な交渉を重ねて下さり、実現することが出来たのでした。

 

園長という責任のある立場にも関わらず、また色々な規則がある中ですぐに「できない」と言うのではなく、心から子ども達にとって良いことだからと真剣に考えて下さったからこそ、実現することが出来たのでした。

 

それは手間もかかり決して容易ではなかったはずですが、感謝してもしきれないほどの園長先生の頑張りのお陰で叶ったのでした。

 

そのイベントを皮切りに、その後も園長先生にはいくつかのイベントをご提案させて頂き、その都度関係ある方々へ交渉して下さいました。初めてのことを、どんどん実現してくれました。

 

食育ロックアーティストを呼び保護者も集めてコンサートを行った時は、100人を越える参加者が休日にも関わらず保育園に集まりました。

 

それだけではありません。あれからずっと、定期的な地域イベントにも保育園として協力して下さっています 

《これぞ園長の鏡》

 

各方面から呼んだイベントの先生方は皆、口をそろえてこう言います。

 

「こんな保育園は初めてです。本当に良い園長先生ですね。普通はやらせて貰えないのが当たり前ですよ。とても良い経験をさせて頂きました。」

 

子ども達にとって本当に良いと思う事を提案すると、その時にある様々な壁を試行錯誤しどうにか乗り越えようとしてくれる。

 

これぞ、地域とつながる園長先生の鏡だと実感しました。

 

喜んでキラキラ輝く子ども達の笑顔に、しっかり毎回の成果も表れていました。

 

色々な決まりがある中で初めてのことや難しいことを行う時、乗り越えるためには手間も勇気も必要ですが、本当に大切なものを見極め達成できるよう努力をすることは大切なことなのだと、その園長先生から教えて頂きました。

 

皆さんも何か壁に直面することがあった時は、すぐにNOと言わず大切なことを見極め、叶うよう努めてみてはいかがでしょうか? 
そこから始まる新しいドラマや新たな喜びが生まれ「やってよかった」と心から思える結果につながるかもしれません。