心のプロが教えてくれた、本当の幸せとは〇〇を感じること
皆さんが学生のころなどクラス替えをして「去年のクラスは楽しかったのに今のクラスは微妙。クラス変えしたいな。」と感じた経験はないでしょうか?
または、職場が異動になったりして「この職場なんか居心地悪いな。前の職場に戻りたいな。」と感じたなんて経験はないでしょうか?
そんな時はどうしても“今すぐ環境を変えたい、居心地を良くしたい”と思ってしまうもので、過去に良かった経験があるとどうしてもそこへ戻りたくなるのは自然なことですね。
そんな中、今ある環境で幸せを感じることがいかに大切なことかを伝え広めている方がいます。
メンタルヘルス協会の会長をつとめる衛藤さんです。
その方の講演会を聞いたときにこんな話が出てきました。衛藤さんのブログにも書かれていたので抜粋しご紹介したいと思います。
《小さなシュンシュンとの物語》
「小さなシュンくんの最後は、抗がん剤が効かなくなって愛くるしかったシュンシュンの顔の形は変わっていました。
親たちは、病室内の壁に掛かった鏡をあわてて取り外しました。
シュンシュンが自分の顔を鏡で見て“お友達と学校に行く”という希望を失わないように。
でもある日、そんなことを知らなかった若い看護師の胸にキティちゃんの手鏡があった。
それを見つけたシュンシュンは“その鏡を見せて”と看護師から鏡を受け取った。
変わりはてた自分の顔…シュンシュンの顔の奥にあったガンが肥大し、彼の目は斜視になり、自分の顔を鏡で正面から見ることはできなくなっていました。
シュンシュンは、その現実を見つめた後に看護師にこう語りました。
“もうすぐママが売店から僕のジュースを買って帰ってくるの。ママが帰って来たらね僕が鏡を見たのはママにナイショね”と借りた鏡を看護師に手渡した。
“どうして?”と問いかける看護師に“ママが悲しむから”と告げた…
シュンシュンの幼い心は、病気により研ぎ澄まされ、清く、すべてを達観した老賢人のように鏡を大人たちが外したワケも、母が夕方に早々と病室のカーテンを閉じ窓ガラスが鏡の代わりになることを嫌った理由も、一瞬に理解したのでしょう。
そう、すべては“シュンシュンが自分の顔を見ないようにするための行動だ“と…彼は悟ったに違いありません。
自分の顔が変わりはててしまった絶望と恐怖よりも、その大人たちの優しい秘密を彼は守ろうとしたのです。
それがシュンシュンが”ママに僕が鏡を見たのはナイショね”と言った言葉に、すべて込められていました。
そのシュンシュンは、お母さんの腕の中で一人で旅立ちました。
彼は“僕ね、大人になりたいの。パパみたいに“と言う願いだけを頼りに治療を受けていた、苦しい吐息の中で…
彼の望みは、僕たちが何気なく生きている日常の”今日“を、ただ生きたかっただけ…
彼の話は、僕たち大人たちに突きつけられる。
彼の生きたかった”今日”という夢の一日を、僕たち大人たちはシッカリ味わって生きているのか?
大きくなってくれた我が子が“ただ生きていることだけで幸せなのだ”と感謝する人。
今日、叱った子供の泣き顔を思い出して、怒り過ぎたことを後悔する人。
若者が“なんか退屈だ~”と言いながら“今日”という日を、ボーッと過ごしている自分自身を省みて、最近、冷たくしてきた両親に対して、育ててくれたことに、感謝していなかったことに気づく聴衆もいます。」
※衛藤信之氏ブログより
《今ある幸せを感じること》
皆さんはこれを読み、どんな気持ちになりましたか?
その講演を聞いていた方々は「自分が抱えていたたくさんの悩みや変えたいと思っていたことは、なんて贅沢な悩みだったのだろう。今ある環境に感謝し幸せを感じることをもう少し意識してみよう。」と感動に包まれ涙していました。
環境を変えたいと思うこと、変えようとすることは決して悪いことではありません。
ただ、環境を変えなくても今の自分がどれだけ恵まれているか、日ごろなかなか気づけなかった幸せが実は周りにはどれだけあるか、衛藤氏のエピソードを胸に皆さんもちょっとだけ意識して頂けることを願っています。
今ある幸せを実感し、皆さんの心が少しでも軽くなれたら良いなと思います。